東京都が「自転車の安全で適正な利用を促進するための条例に盛り込む主な内容案に関する意見募集の結果について」というものを発表していました。
東京都では、東京都自転車対策懇談会からの提言「自転車問題の解決に向けて」(平成24年9月)を踏まえるなどして作成した「自転車の安全で適正な利用を促進するための条例に盛り込む主な内容案」について、意見募集を行いました。このたび、その結果を取りまとめましたので、お知らせします。
なお、意見募集でいただいた意見等を踏まえた「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例案」を平成25年第一回都議会定例会に提出します。
以下、私の個人的な考え満載ですので、興味の無い方は、戻るか閉じることをおすすめします。
例の知事本局下の警察天下り部署のページに掲載されていました。
自転車の安全で適正な利用を促進するための条例に盛り込む主な内容案に関する意見募集の結果
PDFで8頁に渡る、東京都からの壮大な言い訳が綴られています。いくつか面白いことが書かれているのですが、ひとつ、抜き出して紹介します。
まず、寄せられた意見の概要としてピックアップされているひとつが下記のもの。
(意見の概要)
・教育指針、点検・整備指針、都の施策・計画の内容が明らかにならなければ、この条例の是非が判断できない。まずは、それを明らかにすべきであり、各内容について都に対して白紙委任をすることはできない。
・「都の施策に協力する」とされているが、都がどのような自転車施策を講じるか明らかでないのに協力しろといわれても協力できない。
それについての、都の考え方。
(都の考え方)
今回の意見募集は、条例案に盛り込む主な内容やその大まかな方向性についての御意見を求める趣旨で行ったものです。指針や計画等の内容は、議会での条例案の審議等を踏まえて作成していきます。
また、意見募集の際には自転車利用者等の義務等に関わらないため記載していませんでしたが、条例案では、都が自転車の安全で適正な利用を促進するための施策等を総合的に推進する計画を策定する際には、自転車利用者等の意見を反映することができるような手続を経ることも盛り込んでいます。
都においては、これまでも、交通安全教室、安全な走行空間の整備、ルールに違反した利用 者に対する指導・警告等、自転車の安全で適正な利用の促進に資する様々な施策を実施してき たところですので、今後とも関係機関とも協力して、そうした施策を推進していくこととしています。
なお、他の条例においても、こうした指針や計画は、盛り込むべき大まかな事項を示しつつも、その作成自体は、社会情勢の変化への迅速・柔軟な対処を可能にすることなどのため、各種施策を実施する主体である知事が行うこととされているところです。
『指針や計画等の内容は、議会での条例案の審議等を踏まえて作成していきます。』って、ここでいう条例案が今回の条例案を示しているならば、話の順番が逆ですよね。そして『こうした指針や計画は、盛り込むべき大まかな事項を示しつつも、その作成自体は、社会情勢の変化への迅速・柔軟な対処を可能にすることなどのため、各種施策を実施する主体である知事が行うこととされているところです。』っていうのも、一見もっともらしいけど、笑えます。あなたたち知事本局直下の部署でしょう?と突っ込まずにはいられません。もちろん「知事の仕事」なのはわかりますが、やっぱり順番が逆ですよね。
この部分に限らず、全体的に「一見もっともらしい」ことが書いてるのが厄介です。
自転車を取り巻く環境が、悠長なことを言ってられない状況にあることはわかった上で、あえて乱暴なことを言いますと、自転車条例の細部なんてどうでもよいと思うのです。それよりもまず、都が自転車や歩行者も含めたモビリティをどう考えるのか。そこからちゃんと落とし込んだものを見せてほしいのですが、今の東京都にそれを要求するのは難しいのでしょうか。
意見募集を踏まえ、実際に条例案も公開されました(蒸気意見募集の結果のページにリンク有り)。この内容で都議会にかかります。そういう状況なのです。東京都議会平成25年第1回定例会は、1週間後から。2月20日〜3月28日の会期です。そして条例案では7月1日からの施行となっています。こんどの定例会でこのまま可決されれば、7月1日施行!
今この段階でこういう文書と条例案が示されるということは、猪瀬知事もこれで良いと思っているか、もしくは知事はなめられているか、どちらかなのでしょう。
ところで、実はこの件でひとつ気になっていることがあるのですが、自転車販売店やメーカー、ディストリビューター等はこの条例制定の動きについてどう考えているのでしょう。このまま行ったら7月1日施行です。
(Gen SUGAI)