(Protected bike lane through intersection by Richard Drdul, on Flickr)
本日も「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を読んでいこうと思います。前回はこちら。
「I.自転車通行空間の計画>2.各作成手順における技術検討項目及びコミュニケーション・合意形成項目」のところです。ここでは見出しの通り計画の立て方、合意形成の図り方などが詳しく書かれています。自転車利用者にとってとくに気になるのは「2.2 自転車ネットワーク路線の選定」と「2.3 整備形態の選定」だと思われます。
●面的なネットワークを構築するための路線選定
前回も触れた通り、いっぺんに全部の道路を改良するのは無理ですから、まずは自転車が移動しやすいようなネットワークを作りましょう、という話です。その路線(道路)の選定については以下のようなものを適宜組み合わせなさい、としています。
(1)地域内における自転車利用の主要路線としての役割を担う、公共交通施設、学校、地域の核となる商業施設及びスポーツ関連施設等の大規模集客施設、主な居住地区等を結ぶ路線
(2)自転車と歩行者の錯綜や自転車関連の事故が多い路線の安全性を向上させるため、自転車通行空間を確保する路線
(3)地域の課題やニーズに応じて自転車の利用を促進する路線
(4)自転車の利用増加が見込める、沿道で新たに施設立地が予定されている路線
(5)既に自転車の通行空間(自転車道、自転車専用通行帯、自転車専用道路)が整備されている路線
(6)その他自転車ネットワークの連続性を確保するために必要な路線
例えば、ニーズが有るところには路線バスが走り、その道は「バス通り」になりますよね。それと同じように「自転車通り」を構築しましょう、という話だと受け取りました。
ちなみに、市街地で自転車ネットワーク計画を策定・検討した事例によれば、その路線が格子状で等間隔だと仮定すると『格子状の自転車ネットワーク路線が約330m~2km間隔で配置されることとなる。すなわち、計画エリア内では最大でも約170m~1km以内で自転車ネットワーク路線にアクセスできる水準』だそうで、この数値について『参考にするとよい』としています。
もちろん、続く。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。