連載「ふたつのESCAPE」の実走インプレッション、前回はESCAPE AIRについて書いたので、今回はもちろんESCAPE RX3。AIRとほとんど同じコースで乗ってみて、何を感じたのか……という話です。
実は当初、いくらESCAPE関連の記事が当サイトで人気だらといって「ふたつのESCAPEを乗り比べる」なんて言ってしまって良いのだろうかと、不安な気持ちもありました。全然違いがわからないのではないか、と。でも実際にある程度(といっても一度に25〜30kmなのですが)乗ってみると、結構違いを感じて、ある意味安心しているところです。
●フレームの存在をよりいっそう感じるRX3
465mmサイズで重量10.5kgというカタログスペックの、ESCAPE RX3。対するAIRは500mmサイズで9.9kgという軽さですから、実際にRX3(こちらも500mm)を持つと「ああ、確かにAIRよりは重いなぁ」と感じます。まぁAIRがクロスバイクとしては例外的に軽いのであって、RX3だって十分軽いのですが。
ESCAPE RX3シリーズも、ディメンションは(わずかな差異はありますが)ESCAPE Rシリーズを受け継いでいます。そのため、またがってみた最初の印象は、私がもともと乗っているESCAPE R2(2010)や先のAIRと大差ありません。
そして実際に走り出してみると、確かにこぎ出しはAIRよりやや重たいものの、股の下にしっかりとした車体があるという感覚がカラダに伝わってきます。そしてペダリングを早めていくと、AIRと遜色なく、むしろそれ以上にシャキシャキと進んで行く確かな加速感があるのです。この感覚が結構楽しい。見た目に違わず、フレームの剛性はAIRよりRX3のほうが高いようです。コーナリング中も、AIRがヒラリとした軽快感を前面に出しているのに対して、RX3は安定感とシャープさが両立しているところに魅力を感じます。
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須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。