「主流はどっちになるのですか?」
「やはり、29erが増えますか?」
と聞かれることの多いこと、日に日に増える感じです。
特に当店で「MTBが好きです」と言い始めてからはMTB絡みのお客様が増えてまして、先月今月にかんしては売り上げの半分がMTBになってしまってます……が、季節的にはロードも走れるようになってきました。両立って難しい。
一昨日の定休日には某トレイル整備の為に調査に行ってきました。登山者の少ない登山道を自治体公認トレイルとして整備しようというプロジェクトです。まだまだ明らかには出来ませんが、何かしらサイクリストの為に役所を巻き込んで動かそうと思っております。
何とか今後も持続してMTBライドを楽しむ為に力を入れたいと思っていますが、その為にはライダー1人1人の努力が欠かせません。どこかで一生懸命活動していても、同じ場所で走る他のライダーが自分勝手な行動をとってしまったことで地元民や土地の所有者といざこざを興してしまったケースが多くあります。そうなると、和解には相当なエネルギーがいります。原因となった当の本人は知ったこっちゃ無いでしょうが。
それは当店の前の路地も同じなのです。実家を改造した当店、僕が小さい頃は道路で遊べました。チョークや白墨で道路に絵を描いたり、縄跳びしたり、何でも。でも、今は遊べません。春日通りと三ツ目通りを抜ける車が信号をパスする抜け道として利用しますし、近くの会社に出入りする営業車がものすごいスピードで通過するからです。ものすごいスピードは80キロじゃありませんよ、30キロくらいです。たった30キロ?と思うかも知れませんが、車がすれ違うのもやっとの路地ですからね。
ご自宅の前の道路を考えてみて下さい。それに山林はその土地の財産です。自分ちの庭の木を枝を勝手に切られたり、走り回られたり、それって良い気持ちしません。
MTBで走るって言うのはこういうことと同じだと思います。他人様の生活空間に入り込んで、遊んで過ごすのです。法律でくくれる話ではなく、最低限として地元に愛される為のマナーや態度を取る必要があります。
日本はコミュニティの力が弱く、公共性という名のエゴが強く通りますので、「道路はみんなのものだ」とワケの分からないことを言ったりしますが、正にジャイアニズムの典型でしょう。”みんなのもの”という時点で”それはオレのものでもある”と言っているのと同じです。
山で「ヒャッホー」するのが目的のMTBですが、”政府や自治体が放っておいても整備して舗装してくれる普通の道路で楽しむロードレーサー”とは全く環境が異なり、MTBに乗れる環境は1人1人の気遣いで成り立っております。
僕はMTBに楽しく乗りたいオトナの方へいろいろとご協力できますので、ぜひご来店下さい。
(Bicicletta di Mattino 朝倉誠)
墨田区本所のスポーツサイクル専門店「Bicicletta di Mattino」
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。