週刊マティーノの3回目はMERIDA(メリダ)をご紹介します。
メリダという自転車メーカーをご存じでしょうか?聞いたことあるという方もいらっしゃいますか?あるいは乗っていらっしゃる方もいらっしゃいますか?良くも悪くもメリダというと“安い”、“お得”、“コストパフォーマンスが良い”というどれも似たような言葉のイメージをお持ちかも知れません。それはそれで正解です。カタログスペックを眺めていてもそのパフォーマンスはすごく良い、それは確かです。
でもメリダがそれだけのイメージ?中身?なのであれば、マティーノで取り扱いを開始することはありませんでした。
自転車は何よりクオリティが大事。カタログスペックは単に“パーツを並べただけ”です。それだけでは自転車は動きません。自転車は皆さんが思うよりもっと緻密さと精密さを要求されていますので、ちょっとした精度の狂いがあるだけでおかしくなってしまうものなのです。
最も大事なのは“クオリティコントロール(QC)”。どれだけ性能の良い素材でもQCがうまくなければ良い製品は生まれません。大事なのは作り手、売り手の双方が大事に作って、大事に売ること。この体制が当店でメリダを取り扱う決め手となりました。開発、生産、輸入、販売やメンテナンス、全てにおいてのクオリティが2012年のメリダでは充実しています。もともとの品物の良さをちゃんと伝えられる体制が整ったというわけです。
メリダでは10年前からR&Dをドイツのシュツットガルトで行うようになりました。ヨーロッパで勝てるバイクをヨーロッパで開発しています。同時に発足したメリダ・ムルティヴァンというMTBワークスチームによる開発と実戦の繰り返しは、多くの製品にフィードバックを与え、そしてレースでの結果も大きく残しています。
生産はハイエンドバイクの一大生産拠点である台湾の台中にある自社工場で行っています。実際に僕の手で組み立てていますが、これはお世辞でもなく”良い”です。細かな精度もそうですし、ワイヤの質、フレームのつくりなどなど。ブランド代を払うのがイヤな方には、間違いない選択肢だと思います。S社やA社を生産しているのはメリダなので、それを知っている多くの人はメリダの実力を高く評価するでしょう。
販売代理店がミヤタ自転車となって2年目の2012年シーズン、改めて国内販売でのスタートを切り直しました。今はまだ国内では無名に近い存在ですし、クロスバイクがちょこっと走っているだけかも知れません。しかし、5〜10年以上前のGIANTも“安い”と思われているだけだったでしょう。でもその頃、既にMTBライダーはMCMカーボンやNRSというベストセラーモデルがあることを知っていましたし、その性能の高さにも気づいていました。GIANTのロードレーサーやハイエンドモデルが開花したのはその後のことです……。ミヤタ自身も「The MIYATA」というクロモリロードのシリーズを復刻させ、国内の自転車文化を再び花咲かせようとしています。
メリダには通常店とMGD店という2種類の販売店があります。当店は後者にあたり、MGDとはメリダグローバルディーラーの略。より専門性の高い技術を要する組み立てやアフターサポートが必要なモデルは「MGD」契約販売店のみが取り扱うことが出来ます。カタログに付いているMGDロゴにご注目下さい。ロード上位モデル、MTB上位モデルと全てのフレームセットに付いています。
メリダ販売店にも様々なお店があります。通信販売をしているお店もありますし、一般車メインのお店もあります。当店ではMGD販売店として認定されることを前提にして、ローエンドからハイエンドまでメリダが欲しい多くの方の為に取り扱いを開始しましたので、ぜひクオリティの高いメリダを実感して頂きたいと思います。
“安い”から買うメリダではなく、純粋に”良い”と言って頂ける様に。
墨田区本所のスポーツサイクル専門店「Bicicletta di Mattino」
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。