2da bicicletada centro by carlosfpardo, on Flickr
「自転車に向いてる街」ってあると思うのです。
筆者は東京都町田市に住んでいます。坂が多いイメージを持っている人も多いと思いますし、実際電動アシスト自転車を多く見かけますが、案外、町田というところは「地形的には」自転車に向いている面もあるのではないかと。
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青い線は、町田駅のすぐそばを流れる境川沿いの低地を大ざっぱに示しました。境川沿いは、ほとんど平地と言って差し支えありません。そして赤い線は、川沿いの平野から一段上がったところを走る、町田街道沿いに引きました。ここも、ほとんど平です。青線と赤線の間の傾斜も、それほどきついわけではありません。そしてどちらの線も9kmちょっとの長さを引きました。つまり町田駅の前後4〜5kmくらいに、いわゆるママチャリでも余裕で「駅まで自転車でいける」範囲があるのです。とくに境川沿いは自転車歩行者道がありますから、自転車に適していると言えます。
緑色の線は、小田急線鶴川駅から、鶴見川と真光寺川沿いに引きました。鶴川と言えば本当に坂の町ですが、駅のすぐ近くを鶴見川と真光寺川が流れていて、川沿いは自転車でラクに移動できます。川沿いの走行環境も、そんなに悪く有りません。
実際、境川沿いも鶴見川沿いも、たくさんの自転車が走っています。晴れてさえいれば、自転車がラクで気持ちよいということを多くの人が知っています。
しかし、じゃぁこれから町田駅周辺や鶴川駅周辺に住んで「会社はまでは無理でも、せめて駅までは自転車で」「週末の買い物は自転車で行けるかな」と思ったとしても、なかなか簡単にはいかなかったりします。そう、駐輪場が足りていないのです。もともと自転車利用者が多いこともあって、駐輪場もないわけではないというか、規模はそれなりにあるのですが、それでも足りていません。
Bike Parking Lot by VeloBusDriver, on Flickr
また、駅前の駐輪場、それも公設のものとなると、どうしても定期利用がメインとなり「週に3日だけ」とか「週末だけ」といったニーズに応えられていません。そこに目を付けてか、小田急電鉄が時間貸し駐輪場を徐々に増やしつつあります。一方、大型店舗の前に時間貸し駐輪場があって「1時間無料」とデカデカと書かれていても、路上に駐輪する人も大勢います。それもひとつの現実です。
まだまだいろいろ足りていないけれど、気づいている人は気づいてるし、その「気づき」に広がりを感じ取っている人もいる……といったところでしょうか。もっと広げていく必要があります。
皆さんの住む街の自転車環境は、どんな感じですか?
(須貝弦)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。