あっという間の3週間。第93回ジロ・デ・イタリアが終了しました。総合優勝に輝いたのは、イヴァン・バッソ(リクイガス、イタリア)でした。
第21ステージゴール後、子どもを抱えて晴れやかな表情のバッソが印象的でした。
バッソがジロを制するのは、CSC時代の2006年以来2度目。ドーピングスキャンダルによる出場停止を経て、レースに復帰したのが2008年秋のジャパンカップ。2009年はまだブランクを感じさせる走りでしたが、このジロでついに「帰ってきた」という感じがします。
リクイガスは、ジロが始まる前にフランコ・ペッリツォッティの出場キャンセルがありました。そして第7ステージでは、ニバリ、バッソ、アニョーリ揃ってコケたことで借金を背負ったようなかたちにもなってしまいました。それでも終わってみれば、リクイガスのチーム力がものを言ったように思います。もちろん、ゾンコランを制したバッソの力も、言うまでもありません。
第5ステージではBBOXブイグテレコムの新城幸也が見せてくれました(そして2つのグランツールを完走した初の日本人になりました)。リクイガス勢が落車した第7ステージで泥だらけになって勝ったカデル・エヴァンスもかっこよかったし、個人的に好きなガルゼッリがステージを1つ穫ったのもよかったし、ずーっと不調だったグライペルが諦めずに走り続けてようやく勝ったのもいいシーンでした。そしてシモーニは見納めでした(終始楽しそうでしたね)。
オランダをスタートしてから落車が多く、天気に恵まれないジロでしたが、それでもやっぱり面白かったです。Jスポーツで、iPhoneでのストリーミングで、毎日楽しませてもらいました。
(須貝弦)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。