ESCAPE Rシリーズには、R3/R3.1/R2/R1/ESCAPE R i8/R ALLIANCE——と、実に7種類ものモデルがある。それぞれどう違うのか、どこで価格差が生じているのかをチェックしてみよう。
●ESCAPE R3(52,500円、税込)
ご存知、ESCAPE Rシリーズのベーシックグレード。かつてスペシャライズド・シラスやフェルトのSRシリーズなどが切り開いた「スピード系クロス」の路線を完全に定着させた功労“車”。軽量アルミフレームにクロモリフォークを組み合わせている。リア8速。
サイズがXXS、XS、S、M、Lと豊富(LがあるのはR3だけ)。また、クランク長がXXSとXSは165mm、SとMは170mm、Lは175mmと使い分けられているのが特徴。
重量はSサイズ(465mm)で11.3kg。
●ESCAPE R3.1(54,600円、税込)
ESCAPE R3のスペシャルカラーバージョン。カラー以外で異なるのは、R3がグリップシフトなのに対して、R3.1はトリガーシフトになること。コンポーネントのグレードとしては同等で、リアも8速。サイズはXXS〜M。クランク長はXXSとXSは165mm、SとMは170mmとなる。
重量はXSサイズ(430mm)で10.9kg。
●ESCAPE R2(73,500円、税込)
R2はリア8速ながら、リアディレーラーにシマノ・デオーレを採用(R3とR3.1はスラム)。クランクもシマノ・アリビオとなる。シフターもシマノ製となるなど、とにかく「シマノ率」が高い。サイズはXXS〜M。クランク長はサイズに関わらず170mmのみとなるのが残念。そして最大の特徴は、R2以上のグレードで採用されるカーボンフォークで、路面からの衝撃を和らげる。
重量はSサイズ(465mm)で10.8kg。
●ESCAPE R1(89,250円、税込)
アルミフレーム&外装変速のESCAPE Rシリーズとしては最上級モデル。R2との違いは、リアの変速が9速となること(メカはスラム製)。また、このモデルから上位はシートピラーがサスペンションタイプではない。ただ、サスペンションピラーは実はそれほど乗り心地に寄与せず、むしろ重さの面でハンディになっているので、なんら気にすることは無いだろう。
細かいところでは、フロントのチェーンリングにカバーが付いていない。普段着で乗るにはズボンの裾バンドは必須。ペダルは下位グレードよりスマートなものが付いている。
サイズはXXS〜M。クランク長はXXSとXSは165mm、SとMは170mmとなる。重量はSサイズ(465mm)で10.1kg。
●ESCAPE Ri8(105,000円、税込)
このモデルは、ギアがリアホイールのハブに収められた、内装変速モデル。ディスクブレーキも採用している。変速してもガチャガチャとメカが動くことがなく、停車時でも変速可能。ディスクブレーキは雨の日も確実に制動できる。ただしこの組み合わせは、重量面では不利。Mサイズ(500mm)で12.2kgだ。
サイズはXXS〜M。クランク長はサイズに関わらず170mmのみとなる。
さらに細かいことだが、このRi8はフレームのリアエンド幅が135mm(他は130mm)だ。
●ESCAPE R ALLIANCE(189,000円、税込)
R ALLIANCEは、アルミとカーボンのハイブリッドフレーム。メインコンポーネントはシマノ・105でリア10速と、他のESCAPE Rシリーズとは完全に別モノ。タイヤの幅も、他のモデルが28Cなのに対してこのモデルは25Cだ。
「フラットハンドルのクロスバイクでも、上質なモノが欲しい」という人に向けたモデルと言えるだろう。重量はSサイズ(465mm)で8.9kgと、もちろんシリーズ最軽量。
サイズはXXS〜M。クランク長はXXSとXSは165mm、SとMは170mmとなる。
リンク: 2010 Giant Bicycle.
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関連リンク: クロスバイクカタログ by CyclingEX.
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。