なぜ少ないか。
そんな記事やっても本が売れないと考えられているからです。
ライターの私から見ても、まぁ簡単には売れないと思います。
サイクルスポーツ(雑誌のことではない)の普及を考えたとき、「底辺の拡大」と「トップカテゴリの充実」の両方が求められると思うのですが、今の段階で各雑誌が目をつけているのは、主に底辺の拡大のようです。だから「自転車日和」や「自転車生活」のような媒体が成り立っているわけです。ただ、二玄社の「BICYCLE NAVI」が出てからというもの、何を指して底辺の拡大というのか、みんな見失っているような気はしますけど(ぶっちゃけ、私にもわかりません)。
で。
国内ロードレースの記事をもっと雑誌で読みたいという人は、出版社に意見を送りましょう。そして、レースを扱った記事が掲載された場合は、賛辞と叱咤激励の声を送りましょう。これはとても重要です。なぜなら、レースの記事が掲載された場合「レースには興味が無い」という声がたくさん届く……なんてコトが、マジで起きているからです。声が大きい意見に影響されるのは、仕方が無いことなのです。
レースやトレーニングの記事を望んでいることを声にして、少しでもいいと思う記事があったら、また声を送る。そうやって、読者こそがメディアを育てなければいけません。今の自転車雑誌は、底辺の拡大と「昔からのユーザーの惰性による購読」に甘えています。その状況を変えるのは、読者しかいないのですよ、たぶん。
あ、あと、今のところヒルクライムは競技の入口として成立しています。「またヒルクライムか」と言わずに、暖かい目で見てあげてください。ただ、雑誌のネタとしてはヒルクライムもそろそろ辛いでしょうなぁ、自転車通勤のネタが食いつぶされたように。
(SUGAI Gen)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。