最近、古い自転車の話題が続いていますが、もう少しお付き合いください。新家工業さんから1961年の「ツバメ自転車」カタログを画像化したものをご提供頂きました。その一部を、ここで紹介したいと思います。
金ツバメ軽快車。軽快さと実用性を両立したスマートな自転車、とのこと。
価格は24,500円。大卒の初任給が16,000円くらいの時代です。
金ツバメスーパースポーツ車。
ミキストフレームで「男女兼用」という位置づけになっています。スーパースポーツを名乗っていますが、見た目は実用車っぽいですね。こちらも、価格は24,500円。
そして、金ツバメトップツアー車。
カーブしたトップチューブが上品なイメージです。ブレーキがロッドではなくワイヤー式になっています。価格は28,000円。サイクリング向けの高級車です。
こちらは、銀ツバメスポーツ車。
価格は19,800円。
最後に、銀ツバメ婦人車。
こちらも、価格は19,800円です。
こうやってみると、とくにダイヤモンド型のフレームは、それが実用車と名乗ろうが軽快車と名乗ろうが、70〜80年代のジュニアスポーツ車であろうが、ロードバイクであろうがMTBであろうが、とても安心してみていられる「自転車らしい」普遍的なスタイルだと思います。
カタログデータをご提供頂いた新家工業・Nさんは『普遍性と言うよりも、トラス構造でしかるべきカタチ』とおっしゃっていました。ふたつの三角形を持つダイヤモンド型フレームは、120年以上存在しているわけで、それはやはり、構造的な理由が大きいのでしょう。
だからこそ「それを打ち破りたい」と、新たな形状にチャレンジするデザイナーが多いのかもしれません。壁は高そうですが。
(Gen SUGAI)
須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれ、川崎市麻生区在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。自転車と小田急ロマンスカーが好き。初めてのスポーツ自転車は1986年あたりのアラヤ・マディフォックス。2001年頃にGTのクロスバイクで数年ぶりにスポーツ自転車に復帰。現在のメインの愛車はアルミのロードバイク「TREK Domane AL3 DISC」。